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旧千歳館エリア・リノベーション事業基本設計業務に係る公募型プロポーザル(山形県山形市)

CHITOSEKAN Project
  • 山形県山形市
  • 2023年
  • 店舗/料亭/エリアリノベーション/リノベーション/リニューアル/プロポーザル

最終5社選定
代表事業者:株式会社アーキテクチュアランドスケープ
共同事業者:ザックデザイン建築設計事務所、安部剛司建築設計事務所

コンセプト:「地域のタカラとしての旧千歳館、まちの広縁」
私たちは、旧千歳館の建物群が、地域のタカラである。と位置づけ、その付加価値を生かすべく新たに宿泊、サウナ、テナントの各機能を持たせます。そして公園とつなぐことで建物と公園とが一体となった「まちの広縁(ひろえん)」を提案します。

人口減少社会におけるこれからの公共施設は、自ら継続的にお金を稼がなければ維持していくことはできません。
まちなかエリアではとんがりビル、ボタコーヒーといったリノベーション事例が点から線になりつつあり、guraやQ1といった新たなまちなかのにぎわい拠点も近年整備されています。こうしたリノベーションの機運を線から面へと広げていくうえで、この旧千歳館の利活用計画は、エリア・リノベーションの要(かなめ)だと考えています。

本提案では、運営者目線を最初から取り入れた現実的、かつクリエイティブな施設をつくるための方策として、佐賀市旧富士小学校の利活用で採用された、リレー型DO(デザイン-オペレーション)方式により基本設計に取組むことを提案します。
リレー型DO方式とは、「事業構想、基本設計、運営計画」を基本設計業務の中で一体的に検討することです。
従来の構想、設計、施工、運営と順に分離発注いただくのではなく、公民連携により、構想、設計、運営を一体のものと考え、施工を分離する方法です。私たちチームは、業務の中で構想と運営を担う企業を募集・選定し、事業全体をマネジメントして参ります。

まず、旧千歳館本館を含む登録有形文化財の建物は、文化財部分を活かすために、老朽化した厨房や機械室など文化財に指定されていない部分を減築します。これにより、1,300㎡の公園用地を確実に確保します。
なお、事業用地は残りの1125.7㎡とします。

文化財に指定されている本館および、「ちとせ」、「つる」を、屋根付きの半屋外空間「広縁(ひろえん)」でむすび回遊できるようにします。
この歩行者ネットワークは、開かれた計画とし敷地外にもつながることで、山形市さんが掲げる「ウォーカブルなまちづくり」に沿ったものであると同時に、御殿堰や文翔館、遊学館など、近隣の文教施設とも連携し、まさに歩いて楽しいまちなかを実現する一助となることを期待します。
公園は、旧千歳館の庭園を残しつつ、開かれた緑のオープンスペースとして再整備します。
向かって左側の旧本館に近いエリアは、そのままの形で庭園を活かす一方、向かって右側の東側と南側については、既存の桜を残しながら余分な針葉樹を伐採し、開放的なオープンスペースを確保します。

オープンスペースには、芝生広場を設け、落葉樹を中心とした構成とし、適度な日照と日影を計画します。
ここは、部分的に車両の乗り入れも可能な舗装とすることで、キッチンカーによるマルシェなど多様なイベントが行えるようにします。
公園内には屋根付き歩廊である広縁のほか、子どもたちが遊べる建築化遊具を設置します。地域内外の誰もが利用できるまちなかのオアシスとして、また、海外の方にも山形の歴史文化に触れていただける場として旧千歳館を活用します。